村田真知

MURATA Machi

gateway

紙、インクジェットプリント
各H840 × W590mm(3点)、各H590 × W840mm(10点)

作者より

自分が捉えたい、切り取りたいイメージとカメラが写すイメージは異なっていて、異なっていることがおもしろかった。その感覚を繰り返し続けてみようと思った。しかし続ければ違和感は和らぐもの。元の自分が見ようとしていた距離感をできるだけ保持し、違和感を持ち続けるように意識した。

村田真知

担当教員より

日常生活の中で出会った様々な事物や景色が何のてらいも無くアッケラカンと提示されている。単焦点の標準レンズ一本に我が身を託し、その限定された画角の中で悪戦苦闘しながら撮影に挑む作者の孤独な姿が思い浮かぶ。主観的な物語や感情移入を極力避け、事物の表面をただ掠め取ることだけに徹した冷徹なカメラアイは、それ故に見る者に緊張感を与え、社会的な意味合いを剥ぎ取られた生の物質としての存在感を顕わにする。デジタル時代の新たな写真リアリズムの登場を彷彿とさせる作品。

映像学科教授 小林のりお