半分の顔Half faceポスター|紙各H1456 × W1030mm(9点)
現代における不条理とは何か?それはマスクをつけて道端を歩いているたくさんの人々だと思いました。本来、表情から感じ取れるはずの内面の感情が、マスクによって他者から見えなくなってしまっています。そこで、その重要性を伝えるために、下半分が無くなった顔を描いたポスターを制作しました。また、「内面の感情が大事であること」は、いつの時代も同じだと考え、今の特徴的なマスクの要素をあえて無くして表現しました。 石添輝
マスクで表情の半分しか窺えないペルソナ。それは漠然とした社会不安やコロナ禍の自閉的な生活が相まって、生のエネルギーの発露が乏しい今日の情況を表出している。平穏で淡々とした日常にあって、かすかな痛みやもどかしさを伴って胸中をよぎる不条理感。自己と他者(背景)を隔てる色調は絶妙だ。石添作品にはフランツ・カフカや安倍公房の文学へのオマージュがあり、社会のみならず作者自身を風刺する透徹したまなざしがある。 基礎デザイン学科教授 板東孝明
作者より
現代における不条理とは何か?それはマスクをつけて道端を歩いているたくさんの人々だと思いました。本来、表情から感じ取れるはずの内面の感情が、マスクによって他者から見えなくなってしまっています。そこで、その重要性を伝えるために、下半分が無くなった顔を描いたポスターを制作しました。また、「内面の感情が大事であること」は、いつの時代も同じだと考え、今の特徴的なマスクの要素をあえて無くして表現しました。
石添輝
担当教員より
マスクで表情の半分しか窺えないペルソナ。それは漠然とした社会不安やコロナ禍の自閉的な生活が相まって、生のエネルギーの発露が乏しい今日の情況を表出している。平穏で淡々とした日常にあって、かすかな痛みやもどかしさを伴って胸中をよぎる不条理感。自己と他者(背景)を隔てる色調は絶妙だ。石添作品にはフランツ・カフカや安倍公房の文学へのオマージュがあり、社会のみならず作者自身を風刺する透徹したまなざしがある。
基礎デザイン学科教授 板東孝明