鵜殿千世

UDONO Chise

shy cake

石粉粘土、チークパウダー、紙
立体|H60 × W60 × W60mm(7点)
箱|[最小]H62 × W104 × D104mm 〜[最大]H62 × W304 × D304mm(4点)

作者より

「もしもお菓子が感情表現のツールだったら。」shy cakeはこの発想から生まれた記号的なお菓子である。cakeたちは互いの関係性に反応し赤面しているように見立てられ、箱や皿といった「コミュニティの枠」への収め方によって様々なドラマを生み出す。私たちは彼らを食べる前に、無意識に彼らの物語を想像し、食べ方に意味が生まれるだろう。私たちのメタファーとして生まれたはずのcakeは、私たちとも対話し、新しいコミュニケーションを生んでいるのだ。

鵜殿千世

担当教員より

白くふっくらと丸い菓子が、ほんのり赤面しているように色づいている。正確に言うなら菓子は三種類ある。1:色づいていないもの。2:トップが色づいているもの。3:側面が色づいているもの。これらを、パッケージに詰めるとき、あるいは菓子皿に盛り付けるとき、その様相を意識して配列することによって、微妙な「関係の機微」を表現することができる。物体の距離や向き、そして「赤面」の様相をすぐれて記号的に菓子のデザインに取り込んだ作品である。

基礎デザイン学科教授 原研哉