和田侑馬

WADA Yuma

Organico

プラスチック、透明ボンド、電球、ペンダントライト、3Dプリント
H273 × W250 × D250mm、H319 × W440 × D440mm
パネル|H841 × W1189mm

作者より

完璧な形を作ろうと思う。けれど、どうしても生まれてしまう綻び。その綻びに、私は愛おしさを感じる。テクノロジーの無機質さとは対照的に、光を通すことで現れる有機的な温かさ。規則性の中に生まれる揺らぎは心地いい。
印刷の速度や、複雑な造形を作ることとは違うベクトルで、3Dプリンターの可能性を発見することを目的とし、意図せず現れた内部構造が生み出す模様に着目。形状の傾斜によって模様が変化するランプシェードを制作した。

和田侑馬

担当教員より

サーフェイスに囲まれ、隠蔽されていた内部の補強構造が光によって浮かび上がり、温かみのある、血の通った生命体の体内を思わせる。フィラメントの積層過程で生じ、本来はノイズと見なされる縞模様も、優美で繊細な肌合いとして機能している。設計段階では本来意図されない要素をあえて取り込む設計手法は、3Dプリントにおける不完全さや偶然生じた形の美を引き出し、デジタルファブリケーションの方向性の一端を示している。

デザイン情報学科准教授 大石啓明