津川真保

TSUGAWA Maho

ああ、はれ
Aware

木材、石膏ボード、和紙、パンチカーペット
インスタレーション|H2743 × W3670 × D6869mm

作者より

いつもそこに発生している現象を認識し、感覚を呼び起こす。決して非日常で特別なことではなく、こちらの受け取り方で、どこでだって光のための空間になる。これは映像鑑賞装置である。

津川真保

担当教員より

写真を専攻し、多様な映像表現を横断し続けた作者が辿り着いたのは、映像装置の介在を排した「光の現象」そのものを「映像」として再解釈する純粋な置換表現であった。
会場の扉を開くと、真っ白な壁が立ちはだかる。明るい前室を誘われるまま左へ進み、扉のない入り口に近づくと、それまで見切れていた薄暗い壁面が眼前に広がる。部屋の正面奥、右。白く輝く、黄金比に近い矩形が、静かとともに、ある。
「モニターかと思った」――そう口にする鑑賞者が大勢いたというその正体は、手漉き和紙を用いた光の矩形である。それは記号化された映像概念の具現化であると同時に、作者が提唱する「日常の現象に潜む美術的価値」を重ね合わせた表現に他ならない。作者は、この光の矩形を空間の核として配置し、そこから溢れる柔らかな、優しい透過光を投影した「空間」そのものを、その「時間」そのものを、「映像」として提示しているである。


映像学科教授 篠原規行