全身で自然を感じる人たち
People who feel nature with their whole body
A person seeking light
A person passing through greenery
A person eating fruit
A person riding evening waves
A person falling into the moon
ガラス、ボロシリケイトガラス
H250 × W250 × D250mm(4点)、H180 × W250 × D150mm、H120 × W130 × D160mm












作者より
本作は1日の中で人が自然のエネルギーを感じて心地良いと感じる瞬間を表現しています。全体のタイトルは「全身で自然を感じる人たち」です。「光を求める人」は朝日を浴びて感覚を隅々まで広げたい人、「緑を抜ける人」はツタのようにのびのびと前進する人、「実を食べる人」は実り豊かな自然の恩恵を受ける人、「夕波に乗る人」は黄昏ながら1日を振り返る人、「月に落ちる人」はほっとする月に眠りに落ちてゆく人を表しています。
桜中美咲
担当教員より
本作品は人が身体全身で自然のエネルギーを感じながら、心地良いと思える瞬間をテーマに、1日の中で五つの時間帯と場面で展開しています。
「光を求める人」は1日の始まりである朝日を浴びて、身体の隅々まで感覚を研ぎ澄まそうとしている場面。
「緑を抜ける人」はツタが伸びやかに成長するように、草原の中を前向きに歩き出す場面。
「実を食べる人」は豊かな自然の実りをいただく恩恵を感じながら、英気を養う場面。
「波に乗る人」は1日の活動を終え夕日を浴びながら、家路をたどる場面。
「月に落ちる人」は仕事から解放されて、満月を模したベッドで沈むように眠りに落ちてゆく場面。
この作品は吹きガラス技法で作られています。巻き取った1100℃のガラスを冷める前に道具で引っ張ったり、切ったり、挟んだり、膨らましたりしながら造形していきます。熱を持ったガラスは常に重力に引っ張られ、地面に落ちようとするのでタイミング良く竿を回して作品を保つことが肝要となります。
このような技法の難しさを乗り越え、人の形の隅々まで神経が行き渡っている造形は高い評価を受けました。
作品から伝わる内容は人が生活する上で欠かすことのできない場面であり、人間本来の根源的な欲求とポジティブな姿勢を呼び覚まし、現代社会の歪みに対する警鐘ともなり得る秀作です。
工芸工業デザイン学科教授 大村俊二