水谷百江

MIZUTANI Moe

KEN-Neo

透明レジン、PLA、樹脂、金属、紐、ビーズ
H189.7 × W80.7 × D60mm

作者より

日本の伝統的な玩具である「けん玉」は、誕生から107年を経た今もなお、子供から大人まで多くの人に親しまれている。
一方で現代では、「古き良きけん玉」という昔遊びのイメージが拭いきれない側面がある。
そこで私は、けん玉がこの先の時代も、長きにわたって愛され続ける存在であるために、現代のライフスタイルに合わせたリブランディングを行い、新時代のけん玉「KEN-Neo」として姿を生まれ変わらせた。
基本的なけん玉のフォルムを保ちながら、最先端であるバランスを狙い、フィット感の向上と、遊びの幅を広げる新技「転がり技」を新たに可能にした。

水谷百江

担当教員より

けん玉と聞いて多くの人が思い浮かべる既存の形や構成をしっかりと理解したうえで、それらを踏襲しながらも新しい造形やCMFへと発展させ、新たな世界観を創り出した点が印象的でした。伝統的なプロダクトに対して、安易に形を変えるのではなく、その本質を捉えたうえで提案していることが感じられます。特に、柄の部分で球を転がすという発想によって、これまでにない遊び方を生み出している点は、本作の大きな魅力です。転がす動作を取り入れることで、剣先に刺す技など、より難易度の高い技へと展開していく可能性も感じられ、遊びの広がりを想像させる提案となっています。また、提案の魅力を的確に捉え、それにふさわしい表現手法を選び取っている点から、これまで主体的に試行錯誤を重ね、客観的な視点を持って作品と向き合ってきた姿勢がうかがえます。本作品はその一連の取り組みを含め、優秀賞に値すると判断しました。

工芸工業デザイン学科教授 田中桂太