鈴木柚乃

SUZUKI Yuno

Where Am I Standing/
私はどこに立っているのか

Day Off

キャンバス、油絵具
H2000 × W6260 × D910mm、H455 × W380mm

作者より

窓に現れる景色は、いつも私の位置を意識させる。

同じ部屋にいながら、違う場所が混ざる。

今見えているこの景色も、
記憶を通して現れる風景も、
同じ時間の中にあるのかもしれない。

鈴木柚乃

担当教員より

この作品は、鈴木自身の生活の場である自宅の居間と、4年間を過ごしてきた大学の構内という二つの場所を、室外から見た室内と窓ガラスに映り込む外の風景として一つの画面に重ね合わせることで、自身の居場所を描き出そうとする試みである。内と外、こちら側と向こう側が曖昧に交錯する視覚構造が、作者の経験してきた時間と空間を重層的に提示している。
画面は観音開き状に左右へせり出すように設置され、鑑賞者を取り囲む構成となっている。その巨大な画面の前に立つと全体を一度に視界に収めることができず、鑑賞者は否応なく作品の内部へと引き込まれる。確かな描画力に支えられたこの作品を前に、観る者は、そこに映し出された世界が画面奥の室内なのか、あるいは反射によって映し出されたこちら側の世界なのか、その境界を見失っていく。そして自分自身が今どこに立っているのかさえ揺さぶられるような感覚を覚えることになる。そこには観る者を鑑賞から体験へと導く仕組みが隠されている。
この巨大な作品は、作者が自身の目で見、感じ、経験してきた世界を鑑賞者に追体験させることを意図した意欲作である。

油絵学科教授 小尾修