伊藤未来

Ito Miku

欲動
To move with desire

ガラス|ホットワーク、フュージング
Glass|Hot work, fusing
H150 × W1400 × D450mm

作者より

「欲」が生まれたとき
それは欲望のままに進んでいき

「欲」は生きているモノから生まれるもので
死んだモノに「欲」なんてきっと生まれないだろう。

つまり、「欲」とは生きている証である。

欲望が満たされた時
人は生き生きしている。
人間の欲は人を生かすための栄養剤なのかもしれない。

人間の「欲」という部分だけを取り出し可視化した。

伊藤未来

担当教員より

この作品は溶けたガラスを巻き取って色を付け、細く(2〜3mm)引き伸ばし棒状のガラス(ケイン)を無数に作ることから始まる。
束ねたケインを電気炉の中の型に立て、徐々に温度を上げていく。約580℃でケインは重力に引っ張られて、ゆっくりと倒れていく。
その時に生まれるガラス独特の曲線や勢いで作品はかたち作られる。
うねるように波打つ曲線は、自ら意志を持つようにも見え、活き活きとした表情を捉えることに成功した。
数多くの実験を繰り返し、自らの高みをぎりぎりまで望んだ結果である。

工芸工業デザイン学科教授 大村俊二