伊藤那菜

Ito Nana

格子から派生する平面/立体
plane / solid to be derived from a lattice

キャンヴァス、ドローイング、立体|キャンヴァス、油絵具、木炭紙、チャコールペンシル、木材、アクリル絵具
Canvas, drawing, three-dimensional|Canvas, oil paint, charcoal paper, charcoal pencil, wood, acrylic paint
H410 × W410mm ×8点、H530 × W530mm、H1000 × W1000mm、H380 × W290mm、220 × W400 × D400mm、H520 × W1300 × D130mm

作者より

ファッションとして身につけることが好きだったタータンチェックを取り上げ、平面と立体の作品制作によって格子の探求を行った。
平面では油彩を用いたタータンチェックの模写を行い、それらを立体に起こすことで、タータンチェックを平面から立体へと多元的な展開により捉えることを行った。
ただ見ているだけでは分からない、描くことによって見えてくるタータンチェックを、平面から立体まで派生させた表現のなかで探っていった。

伊藤那菜

担当教員より

平面と立体の制作を通した原形としての格子の探究は、作者がなぜ格子という「模様」に惹かれるのか、その理由を作者自身で探していく造形的体験ともなった。その形象や色彩の構成にどう惹かれるのか、その答えを探る作業を、作者は大いに楽しみながら実践した。とりわけ平面から立体へと次元を変換させるには、実在しないものを存在させるための直感力と構築力が必要不可欠である。趣味や嗜好を芸術的作品へと昇華させてゆくプロセスが、ここでは高度なレヴェルで提示されている。

芸術文化学科教授 是枝開