江間祥子

Ema Shoko

文字を生み出すということ
Why the typefaces were created

本|紙
Book|Paper
H240 × W195mm

立体文字|アクリル
3D typeface|Acrylic
H100 × W100 ×150点

作者より

私たちがいつも目にしている文字は、書体デザイナーの手によって生み出されています。そして、現代はデジタル技術の発展により、職業や年齢に関係なく、誰でもディスプレイ上で書体を選ぶことができるようになりました。しかし、デフォルトの書体を使っている人の中には、文字を扱う機会に応じて適切な書体を選ぶという意識を持ったことがない人も多くいます。そこで、書体を使う側と作る側の両方へアプローチを試み、書体ごとの特長や制作背景を知ることで、書体を選ぶ大切さや楽しさを実感できるような、使う側に向けたツールを制作しました。

江間祥子

担当教員より

本研究を評価した点は、第一線で活躍している3名の書体デザイナーへの膨大かつ丁寧な取材と、彼らがデザインした書体の分析をまとめた資料性の高さにある。研究対象を仮名書体に絞ったことも好材料となり、詳細に記された言葉からは、書体デザイナーが継承してきた文字文化と現代のメディア環境に合わせたデザインへのこだわりが伝わってくる。
こうしたプロとのいわば協働作業を行なった江間の存在は、彼らからも認められ、そこで得られた情報を昇華した書籍と立体文字は、使い手と作り手をつなげる装置となった。そうしたつなぎ手としての側面も合わせて評価した。

芸術文化学科教授 西中賢