樋口舞

Higuchi Mai

インタースペース
−捻出された間隔−
Interspace

インスタレーション、パフォーマンス|ミクストメディア
Installation art, performance art | Mixed media

作者より

今を過去に近づけることは出来るのか。
型どりしたレコードはオリジナルとは逆に回転する。針も内側から外側へと動く。平面的な家具は舞台のように擬似的な空間を作り出す。
60年代の熱気が戻ることはないが異なる世界線を生み出すことは出来る。

樋口舞

担当教員より

樋口さんは1960年代の音楽や風俗の持つ明るさに惹かれてそこに取材し、絵画作品や立体作品を作ってきた。卒業制作では部屋一つにそのテーマを丸ごと取り込んだインスタレーションを制作した。
玄関のようなスペースには小窓がくりぬいてあり、奥の部屋の様子が覗ける。ここでは一枚の静止画として60年代を覗き見る仕掛けになっている。その奥の部屋は舞台の書き割りのような60年代のモダンなリビングとなっていて、彼女はそこで時代物の二つのレコードプレーヤーに60年代当時のビートルズの曲をかけるパフォーマンスを行っている。一つのプレイヤーからは正しい音楽、もう一つからは樋口さんがレコードから型取りしたシリコン製のコピー盤の逆回転音が流される。それらは雑音の絡まった様な不思議な音となって会場に響き渡り、新たな仮想空間を構成する。樋口さんが、彼女の大好きな60年代という過去の時代を取材することによって生まれた不思議な空間だ。

油絵学科教授 赤塚祐二