Anattāインスタレーション|鉄Installation art | IronH2150 × W4325 × D2325mm
“音”とは物体の振動が空気に伝播し、人間の耳に伝わることで発生する聴覚現象である。私はその一連の現象から、音とは即ち“空間の揺らぎ”のことであると解釈した。空間の揺らぎが音であるならば、音と空間は密接な関係にあると言える。 構成された素材と空間に生まれる揺らぎは、人間の五感だけでは感じ取ることのできない、我々の精神的な領域に作用するエネルギーを持つだろう。そこに響くのは質量から放たれる振動であり、そこに顕現するのは遍く人々が潜在的に知覚している空間の揺らぎである。 田中翔馬
卒業制作で何をつくるのか。つくりたいはずなのに立ち止まってしまう学生は少なくない。平常心でいることは難しく、自身で先ず大きな壁を立ててしまうのだ。普遍的ではない音と無我の思想を同質と捉えてこの作品の現象をつくり出している。音も無我も大きな壁を乗り越えるために不可欠な本質だったのかもしれない。それにしても重たい壁を自身に課したものだ。ひとりではなく周囲と支え合い現象を生み出すことが自身にはできる。 空間演出デザイン学科教授 五十嵐久枝
作者より
“音”とは物体の振動が空気に伝播し、人間の耳に伝わることで発生する聴覚現象である。私はその一連の現象から、音とは即ち“空間の揺らぎ”のことであると解釈した。空間の揺らぎが音であるならば、音と空間は密接な関係にあると言える。
構成された素材と空間に生まれる揺らぎは、人間の五感だけでは感じ取ることのできない、我々の精神的な領域に作用するエネルギーを持つだろう。そこに響くのは質量から放たれる振動であり、そこに顕現するのは遍く人々が潜在的に知覚している空間の揺らぎである。
田中翔馬
担当教員より
卒業制作で何をつくるのか。つくりたいはずなのに立ち止まってしまう学生は少なくない。平常心でいることは難しく、自身で先ず大きな壁を立ててしまうのだ。普遍的ではない音と無我の思想を同質と捉えてこの作品の現象をつくり出している。音も無我も大きな壁を乗り越えるために不可欠な本質だったのかもしれない。それにしても重たい壁を自身に課したものだ。ひとりではなく周囲と支え合い現象を生み出すことが自身にはできる。
空間演出デザイン学科教授 五十嵐久枝