露崎紗也子

作者より

なに-もの【何者】
１ はっきりしない相手をさす語。だれ。
２ あらゆる人。いかなる人。何人(なにびと)。

｢人間が何者か｣と問われても正確に答えられる者はいない。

露崎紗也子

担当教員より

春画のイメージを組み込んだ作品を制作した露崎紗也子。
花魁道中を思わせるパレードは、8号館横に新設された建築物と植栽を背景にしている。
過去のものを現代性で再発見する表現として優れたものだった。
そのミニマムにデザインされた表現は、広重の東海道五十三次絵が欧州に与えたショックの一縷を実感させる。
ゼミ期間中に、彼女のエロティックな表現のドローイングの数々を見てきたが、今回の色打掛と長着尻っぱしょりの道中で、ウェアラブルアートとして実った。
コスチュームか?アートなのか?
最近、世界で歴史的服飾の表現が顕著になっている。
ミニマムな生活の中、なにか忘れられたものを復活したいという願望。
1994年のJohn Gallianoの「西欧人が見た芸者」にインスパイアーされたコレクションを思い起こした。

空間演出デザイン学科教授　パトリック・ケビン・ライアン