平田真裕子

HIRATA Mayuko

見た目
looks

インスタレーション|写真紙
Installation art | Photo paper
サイズ可変

作者より

見た目
私の目を
レンズを
画面を
プリンターを通し
偉い人が見た目を通し
あなたに見られるところ

平田真裕子

担当教員より

人間は変化を求め象徴に心を奪われる。しかし、東日本大震災やコロナ禍の体験は以前のままの日常がどれほど尊いものであったかを思い起こす事になる。突発的な災害ではなくとも現実は刻一刻と失われ同時に生まれている。その一瞬をプリントする機械が発明された事で人間は日常というボイドの表層に住む事ができる様になった。平田の卒業制作作品は教室を撮影し、同じ位置にその写真を貼るというものだ。私はジャスパー・ジョーンズの言葉にある、二次元しか絵画には出来ないと三次元を平面に再現する絵画を「イリュージョン」として否定したネオダダの文脈を感じるが、そこから一歩踏み込んで三次元空間の絵画的オブジェ化と解釈する事も可能だろう。平田が行う現実の相対化は過去と未来、双方にまで広がるポストダダイズムと言えるかもしれない。

空間演出デザイン学科教授 津村耕佑