遠井友紀乃

TOI Yukino

本丸みやこうつし
Honmaru miyakoutusi

プレゼンテーション|スチレンボード、紙、バルサ、ヒノキ
H170 × W1050 × D1170mm

作者より

現代の本丸像。高層ビルが立ち並び毎日ビルに通う、決まった循環の「無機質な現代」、そして単身世帯の増えた都市「独りの東京」に対して、楽しく豊かに生きることを本丸に住むという形で提案する。日本古来の住まい方であった、本丸御殿の職住一体の形式をベースに、天守閣や城郭に見られる戦のために作られた造形を抽出し、戦の形が変わった現代において人々の交流を生む造形として空間内に埋め込み制作を行なった。

遠井友紀乃

担当教員より

日本の伝統的な城の中心的な存在となる本丸の空間は、人々のつながりが希薄になった現代において、新たな共同体を生み出す職住一体型の空間としてリ・デザインされた。本丸の持つ表、中奥、奥というゾーニング、襖で仕切られた空間のフレキシビリティとその周囲の回廊が個と公の空間を多様に生み出している。そして様々な色に彩られた襖のデザインと相まって作者の強いオリジナリティが表現された空間となった。

工芸工業デザイン学科教授 伊藤真一