Culm Chair竹H820 × W450 × D550mm、H820 × W450 × D550mm、ほか
竹の新しい製材方法を探り、現代の住環境に溶け込む姿を求めた椅子。 竹の最も強度のある表皮を貼り合わせることで互いを補完し、椅子としての構造強度を生み出している。また、貼り合わせた際に竹本来の曲面によって造形や部材同士の接合、面取りした表情に特徴が現れている。竹の表情が残るよう塗装ではなく染色を行い、竹らしい青さを持つ染青竹とシルエットが際立つ染黒竹の2種類を展開している。 三宮駿之介
作者は物の構造と造形、そのバランスに興味を持ち、多くのマケットを制作しながらその試行錯誤の実験と研究にこの卒業制作期間の大部分を費やした。その出口の見えないプロセスは最終的に一つの機能を持つデザインに落とし込む事ができるか否かの不安との戦いでもあった。竹という様々な長所と短所を持つ扱いの難しい素材を上手く生かす事が次のステージではテーマとなり、難関でもあったが、部材をスライスして貼り合わせるという極めてシンプルではあるが、新鮮なアイデアを起点に数えきれない実験を更に重ね、構造強度の確保と適切な接合方法の発見に辿り着いた。ひたすら手を動かし続け、最終講評直前に完成したものであり、計画した制作スケジュールからは大きく外れたが、結果が光る。 安心して座れる事の十分な強度と快適な座り心地、全体のプロポーションと細部のデザインまで含めて非常に完成度が高く、竹の家具というやり尽くされた分野の中で、極めて新鮮な提案となり、秀逸な作品である。 工芸工業デザイン学科教授 山中一宏
作者より
竹の新しい製材方法を探り、現代の住環境に溶け込む姿を求めた椅子。
竹の最も強度のある表皮を貼り合わせることで互いを補完し、椅子としての構造強度を生み出している。また、貼り合わせた際に竹本来の曲面によって造形や部材同士の接合、面取りした表情に特徴が現れている。竹の表情が残るよう塗装ではなく染色を行い、竹らしい青さを持つ染青竹とシルエットが際立つ染黒竹の2種類を展開している。
三宮駿之介
担当教員より
作者は物の構造と造形、そのバランスに興味を持ち、多くのマケットを制作しながらその試行錯誤の実験と研究にこの卒業制作期間の大部分を費やした。その出口の見えないプロセスは最終的に一つの機能を持つデザインに落とし込む事ができるか否かの不安との戦いでもあった。竹という様々な長所と短所を持つ扱いの難しい素材を上手く生かす事が次のステージではテーマとなり、難関でもあったが、部材をスライスして貼り合わせるという極めてシンプルではあるが、新鮮なアイデアを起点に数えきれない実験を更に重ね、構造強度の確保と適切な接合方法の発見に辿り着いた。ひたすら手を動かし続け、最終講評直前に完成したものであり、計画した制作スケジュールからは大きく外れたが、結果が光る。
安心して座れる事の十分な強度と快適な座り心地、全体のプロポーションと細部のデザインまで含めて非常に完成度が高く、竹の家具というやり尽くされた分野の中で、極めて新鮮な提案となり、秀逸な作品である。
工芸工業デザイン学科教授 山中一宏