平川航太

HIRAKAWA Kota

Tools – Drawing – Graphics

紙、木、鉛筆

インスタレーション|サイズ可変

作者より

グラフィックデザインは完成形が重視されがちだが、その背景にある「道具」や「描く行為」もまた重要であると考え、形を描くための独自の道具と、その過程で生まれた形を作品として提示した。制作には「リンク機構」を応用し、盤面上の図形の動きを支柱やピンを介して描画スペースへと伝える仕組みを採用。描かれる線は有機的で、生命感を帯びる。機械的な運動の中にも自然や身体と通じる形が潜み、形を描くことは世界との対話となり得る。

平川航太

担当教員より

手元にある道具を使う。すると、そこから1メートルほど離れた場所でその道具の先端が紙の上に線を引く。手や腕など身体の動きと道具は連動しているが、同じ軌道を描くことはない。手元にある盤面を回しながら彫り込まれた図像をなぞると、実像よりも大きく伸びた線や妙に歪んだ線が現れる。何を描くかが主題ではない。何で描くか。そして、どう描くかを問うてくる。描写する道具とそのプロセスに重点を置き、それらがドローイングに与える影響を研究した意欲作である。

基礎デザイン学科准教授 三澤遥