青いポロシャツを着たおじさんと八木恵梨
Uncle wearing a blue POLO shirt and Yagi Eri
インスタレーション|鉛筆、ワトソン紙、水彩絵具、ビニール、プロジェクター、オーディオ、石膏
Installation art|Pencil, watson paper, water color, vinyl, projector, audio, plaster
ドローイング
Drawing
H180 × W160mm × 40点、H1030 × W728mm
映像
Video
6min 28sec
音源
Sound
3min 20sec
石膏像
Plaster figure
H300 × W150 × D200mm
作者より
おじさんの周りをぐるぐる回るよ
そうするとおじさんもぐるぐる回っているみたいだね
(青いポロシャツを着たおじさんヘおくる歌より)
八木恵梨
担当教員より
八木恵梨の作品は、水槽に入ったフィギュアの画像から始まる。プライザー社のそれ(立っている男性)は、水槽の中で少し動いているように見える。続いてこの小さな像のまわりを回っている作者が、バターのように溶けてしまう奇妙な、しかし絶妙な余白のあるドローイングが示される。それから、フィギュアの“おじさん”と作者である“私”との等身大に扱った水彩画の展示が40点ほど続く。
これは、想像力が導くゆるいつながりを、ユーモアに包んで提示した作品と言えよう。子どもっぽい想像と、現在の世界をしっかり見ている大人の視点の合体とも言える。そのゆるいつながりを結びつけるものとして水彩があり、自声の歌(これがまたへたでゆるい!)もある。異質なものと自分、あるいは物と人間との交流。私たちはそこで忘れかけていた想像と、描くことによって実現する可能的世界を目にすることになる。
油絵学科教授 長沢秀之