菊地風起人

Kikuchi Fukito

レジャーにおはよう
Good morning to Leisure

キャンヴァス、油絵具
Canvas, oil paint
H2000 × W3000mm 、H1860 × W1980mm、H1820 × W830mm、H830 × W1390mm、H1620 × W1303mm、H1455 × W894mm、H1303 × W1303mm、H1303 × W970mm、H1167 × W910mm、H652 × W1000mm

作者より

今回こそは完璧なんじゃないか、といつも意気込んで絵を描くのですがなぜかいつもちょっとズレた絵になってしまうのが僕の最近の制作スタイルです。でも次こそはかなり良い絵が描けるんじゃないかと自分でも期待しています。
それとなるべくいつでも優しい人でありたいと思っています。作品ももちろん大事ですが、まずは僕という人間性の方が大事ですからね。

菊地風起人

担当教員より

菊地君の絵画作品のコンセプトは、通常一方的な、「鑑賞される絵画と鑑賞者」との関係ではない「鑑賞者をあたたかく受け入れる絵画を描く」ということだったように思う。それは、たしか彼自身の作品を拒否(いや無視だったかもしれない)されてしまった経験からきている。こういった経験は作品を発表する時などに誰にもありがちなことだが、その出会い頭のマイナスな出来事をなんとかプラスに転じようとするところが僕は菊地君らしくて面白いと思う。そう言われて彼の絵画を見ると、なるほど描かれた人物はこちらを一様に輝く笑顔で見つめている。ステレオタイプの記念写真的な絵画として、どこか皮肉な内容を閉じ込めて描いたかに見えそうな作品だが、画面をじっと見ていると、画面が揺らぎ絵画に引き込まれてしまう。細部にも工夫を凝らした菊地君の絵画の魅力であろう。

油絵学科教授 赤塚祐二