生 −留まる−Life -Stay紙、ミクストメディアMixed media on paperH1500 × W3640mm
想いの店Place of Memories紙、ミクストメディアMixed media on paperH1100 × W1400mm
生 −還る−Life -Return紙、ミクストメディアMixed media on paperH3640 × W2730mm
思い、 還る。 記憶と今とは大きなギャップがあるとしても、その場所は変わらず美しい。 見て感じた事を描くことが、今私にできることであり、やりたいことなのだと思います。 深川侑紀
水が色を連れてゆき、紙に広がり染み込む。透明水彩による丹念な描写が蠢くような動きを作り出し、大地は命が湧き出でるように鼓動している。幾度も繰り返される偶然が作者の思いによって生を宿し、形と色はいつしか光に変身し、紙の白は靄となり霧となりそして光となる。それは肉体を宿した大地の風景であり全てが光に還ろうとする霊の風景でもあるのだ。そんなふうに深川は祖父のふるさとを描いた。故郷、熊本が地震に遭った時、生まれ育った場に呼び寄せられるように深川は帰った。 そして人がそこで生きる事の意味を確かめるようにその地を描き始めたのだ。描かれた風景は自然への畏怖と、永遠ではない人の生の営みが悠久に連鎖していることへの愛で溢れ、人間の深く遠い記憶を呼び覚ます景となって私たちに静かに語りかける。 油絵学科教授 樺山祐和
作者より
思い、
還る。
記憶と今とは大きなギャップがあるとしても、その場所は変わらず美しい。
見て感じた事を描くことが、今私にできることであり、やりたいことなのだと思います。
深川侑紀
担当教員より
水が色を連れてゆき、紙に広がり染み込む。透明水彩による丹念な描写が蠢くような動きを作り出し、大地は命が湧き出でるように鼓動している。幾度も繰り返される偶然が作者の思いによって生を宿し、形と色はいつしか光に変身し、紙の白は靄となり霧となりそして光となる。それは肉体を宿した大地の風景であり全てが光に還ろうとする霊の風景でもあるのだ。そんなふうに深川は祖父のふるさとを描いた。故郷、熊本が地震に遭った時、生まれ育った場に呼び寄せられるように深川は帰った。
そして人がそこで生きる事の意味を確かめるようにその地を描き始めたのだ。描かれた風景は自然への畏怖と、永遠ではない人の生の営みが悠久に連鎖していることへの愛で溢れ、人間の深く遠い記憶を呼び覚ます景となって私たちに静かに語りかける。
油絵学科教授 樺山祐和