小杉将之

Kosugi Masayuki

35°43′34.5″N
139°26′51.6″E

模型|チップロール、スタイロフォーム、モデリングペースト、スチレンボード
Model | Chipboard, styrofoam, modeling paste, styrene board
H300 × W1222 × D4860mm

映像
Video | 2min 12sec
2分12秒

作者より

『花畑』とは本来身近には必要のないものである。生活の道具でもなければ、生死に関わるようなものではない。しかし、花畑は静けさを持つ。惹かれるように急いだ足を止め、細部やその周囲に目を向ける。同じく立ち止まった人達と何かを分かち合うことが私達にとって重要だと考える。本来急ぐ必要のないはずの場所に新たな空間をあたえ、新しい施設を設計する。この空間を学生が訪れ、時に通過し、そして立ち止まることで、デザインやファインといった学科間を越えた交流の種になる。そこへの一歩は新たな視点をあたえ、様々な静けさを纏い、人やモノを育てるであろう。私はこの空間を『花畑』と名付ける。

小杉将之

担当教員より

35°43′34.5″N
139°26′51.6″E
とだけ記されたムサビ/中央広場の建築計画のタイトルは、所在地の経緯度以外の何者でもない。しかし彫刻のように自由に立ち上がったランドスケープは、本来本学が求めるリベラルアーツの精神を表しているかもしれない、というのは言い過ぎであろうか?
小杉が求めた花畑”という意味深な概念。その言葉が表すロマンティックなファンタジーの後ろには、現在の美術教育への批判と未来への希望が見え隠れする。

空間演出デザイン学科教授 片山正通