川村朱乃

KAWAMURA Ayano

国内繊維産業自社製品開発におけるイノベーションモデルの提案
ー山形県ニット工場 峰田メリヤス株式会社との取り組みー

残糸(主にウール)、レザー
論文|91ページ(36,105字)
フルーツキャップ|H70 × W120 × D120mm
ボトルキャップ|H230 × W90 × D90mm

作者より

様々な側面からファッションに関わって来た中で、日本の繊維産業のイマに不健康さを感じ、研究に至りました。海外生産が主流化し、国内繊維産業は自社製品開発が課題となっています。今回は、製品に新しい意味を与えるイノベーションを用い、山形ニット峰田メリヤス工場の自社製品を共同開発し、その過程を論文化しました。完成したKNapは、「物がまとう服」と定義しています。残糸を活用し、贈答用のラッピングとして山形の名産品を包みました。新しいファッション・地域の繋がり・ロス削減・日本のものづくりの未来 と、いくつもの意味を持った製品です。外部デザイナーがイノベーターとなり地域産業に参入する点は独自性が高いと言えます。

川村朱乃

担当教員より

ファッションが消費対象として加速して行き、高度な技術がある地域繊維産業が消滅し始めている。高い技術力がありながら、開発力やデザイン力を持ち得ていない工場への、デザインアプローチ、プロトタイピング、製品発表までのプロセスと解決方法を研究している。製造残糸を使って、「果物や、ワインが纏う服」という地域産業との連携をしながら、全く新しいイノベーションを起こしている。物としての評価も高く、多くのメディアに取り上げられている。

クリエイティブイノベーション学科教授 若杉浩一