テイ ジャクテン

TING Ruotien

クマとハナ

手書きアニメーション|6分33秒

作者より

森の中に独りで暮らしている小さな魔女は、もし自分が愛する物たちが不老不死になって、ずっとそばにいてくれたら、自分も永遠に孤独を感じないだろうと思っている。そのため、魔法と錬金術の世界に没頭し、不老不死の魔薬や魔法を毎日研究している。魔女は弱者に共感できなく、直感のままで生きてきたが、クマさんと一緒にたくさんのことを経験して、成長したら、魔女はやっと分かった。命というのは、儚いからこそ、尊く、厳かに美しいのだ。

テイ ジャクテン

担当教員より

孤独な少女と優しい熊との触れ合いを主軸として描くメルヘン。絵柄の愛らしさとは裏腹に、背筋が凍る残酷さをも併せ持っている。無数の蟻に苦しめられる芋虫、それを踏み殺そうとする少女、これは本作の心臓部とも言えるシーンだろう。同胞たちに看取られながら天寿を全うする動物の葬儀は崇高にして圧巻だ。幻想的な描写の中に生と死が交錯する。難易度の高い表現を達成し得たのは、作者の鋭敏な感性と卓越した作画能力によるものだ。

映像学科教授 黒坂圭太