佐藤雲母

SATO Kirara

The Feeling of Being Alive

映像|スタイロフォーム、布、ワイヤー、プロジェクター、スピーカー、メディアプレイヤー
10分31秒

作者より

一定で 無機質で 機械的に動くミシン。

けれど、そこには確かに体温がある。

目まぐるしく流れる日常を、

心臓の鼓動を感じながら生きているみたいに。

ミシンを撮れば撮るほど

生きている感覚みたいな「なにか」が見えてくるのです。

佐藤雲母

担当教員より

ミシンはマシン(machine)から来たらしいが、まさにミシンは縫うという人間活動を肩代わりしたマシンであった。人間が使う道具として使いやすく、効率的で綺麗な仕上げを約束した。半導体など使われていないかつてのミシンは、たとえば蒸気機関車のように、その機械としての原風景が強く人を惹きつける。佐藤さんは祖母のミシンの魅力に取り憑かれ、それを動機に映像作品を制作した。動く機械であるミシンの様々な場面をスマホで丁寧に動画化した佐藤さんの作品は、その優れた編集の力も相まって力強く心を揺さぶる。

油絵学科教授 赤塚祐二