楠見遥

KUSUMI Haruka

日没後に会える
I’ll see you at twilight.

インスタレーション|ミクストメディア
サイズ可変

作者より

台紙から剥がし、壁に貼る。壁から剥がれ、床に落ちる。
補強用にのりを塗りまた貼る。今度は落ちないように強く擦り、抑える。
次の日、また落ちている。
こちらへ迫る無数のドットが私の作業に反発している
それでいい
仲良くなろうよ
よければ一緒にどこか行こうよ

楠見遥

担当教員より

この作品の新鮮さはどこから来ているのだろうか。はじめ丸い5mm程のシールを壁に貼り出した。次にB5くらいのサイズの紙片が貼られ、それらは青い色でフロッタージュされていった。壁には手作りの物体やコンテで描いた黒い影が現れたり消えたりしていたが、青い領域はしだいに壁いっぱいに広がっていった。素材を使って制作をし、その状況を観察して思考する。その思考をもとに判断をして制作を続けるとその痕跡が重なっていく。楠見さんが制作における思考の痕跡を真摯に見つめていることは確かだ。彼女は自らの判断という道具を使い、手応えを動機に作品を制作した。次々に訪れる新たな局面を丁寧に意識化した楠見さんの作品の前に佇む。

油絵学科教授 赤塚祐二