高橋美紗貴

TAKAHASHI Misaki



パネル、油絵具
H1840 × W930mm、H1030 × W1840mm、H810 × W540mm

作者より

描くものの多くは、どこかが壊れ、欠けている。
傷んだ羽根、不揃いで情けない佇まいの骨格模型、錆びつき傷だらけの車輪。
それらは本来の機能を失い、いちど役目を終えたものたちだ。その姿はどこか寂しげでもあるが、軽やかで美しくみえた。

高橋美紗貴

担当教員より

高橋美紗貴は学部時代を通し、禁欲的なまでの写実表現に熱意と貴重な時間を注いできた。誤魔化しの効かない、そして終わりない求道的な制作へと漕ぎ出したわけだが、卒業制作で極めて清潔な画面を実現し、支持を集めた。
技術的には未だ改善の余地を残すが、「役割を終えた物の軽やかさを描きたかった」という高橋の、深い洞察に至ることを期待させる観点こそが、もっとも評価されるべき点であろう。

油絵学科教授 諏訪敦