北林みどり

Kitabayashi Midori

水文様二十一景
Mizumonyounizyuuikkei

MDF、スチレンボード、OHPフィルム、紙
Styrene board, OHP film, paper
H420 × W297mm ×21点


H252 × W183mm

作者より

水に特定の形はない。
しかし、一瞬を形として切り取った文様はある。私は波の形をとどめた文様を、自然の中に存在する波をイメージしてゆすり、回し、スライドしてみた。するとそれは本物の水のように流れ、光り、揺らいだのだ。
水文様は動きを加えることで、自然界の生きた水のような表情を生み出すのである。本作品では、そんな水文様の不思議を、自らの手で動かすことによって体験し、発見するものである。
活き活きと目覚める水の表情・風情を自分の手で感じながら楽しんでもらいたい。

北林みどり

担当教員より

北林さんの作品はとても完成度が高い。ものとしての完成度もさることながら、その内部に組み込まれたしくみや思惑など、とても熟考されたものである。これは例えばデザインセンスがあるなどという簡単な言葉だけでは言い表せない。北林さんはとにかく真摯である。ゼミはほぼ全回出席した。その真面目さの第一の結果として、夏のゼミ旅行の際のゼミにて「私は大発明をしました」という言葉とともに披露された今回の卒業制作のアイデアにみんなが驚愕した。しかし北林さんはそのアイデアのすごさだけでは止まらず、それを今回の見事な作品まで持っていくという第二の結果を出したすごさがある。

視覚伝達デザイン学科教授 古堅真彦