畑沙織

Hata Saori

吉祥、山羊の詩
テキスタイル
The Swastika, a poetry of the goats
textiles

本|紙
Book|Paper
H420 × W320mm × 2点

木版画|紙、インク
woodcut|Paper, ink
H225 × W225mm × 8点、H250 × W180mm × 2点

テキスタイル|布
Textile|Cloth
H2000 × W1000mm × 4点

作者より

父の膨大なアルバムの中には、地球のどこかにいる動物達の写真が私たち家族写真と共に並べられている。恵まれた日本の地で暮らして来た23年間、1度も足を運んだことはないけれど、私の世界の延長線上には、タンザニアのヤギがいた。
父の写真を見返し、遠い国の動物達に想いを馳せながら制作した版画と、父が教えてくれた途上国での動物と人々のお話を編集した詩集。そして画家ラウルデュフィの技法に習い、木版画を展開し、テキスタイルパターンを製作した。

畑沙織

担当教員より

アポリネールの動物寓話詩にラウル・デュフィが挿絵を描いた『動物詩集』に大きな影響を受け、3年次からデュフィのテキスタイルの造形視覚言語の分析を行ってきた彼女は、卒業制作において自らの「動物詩集」を作ることにした。その素材は水資源開発のためアジア、アフリカなど過酷な土地で仕事をしてきた彼女の父親が、幼い頃から手紙やメールで送ってくれた現地の動物たちの膨大な写真であった。図像は全て手彫りの木版であり、そこに彼女の父親から送られたテキストが編集され構成されている。英語と日本語の2つのヴァージョンがあり木版ならではの強いイメージとモノクロームが美しい書物となった。

視覚伝達デザイン学科教授 寺山祐策