岩村朋佳

IWAMURA Tomoka

fish

インスタレーション|木材、布、プロジェクタ、ほか
サイズ可変

作者より

目的もなく移動を繰り返した。

知らない風景に、少し懐かしい風が吹く。

私はかつて違う体で、そこにいたのかもしれない。

岩村朋佳

担当教員より

岩村さんは、旅先の写真を居合わせることのなかった他者に手渡すことで、自分が見た世界のリアリティを確かめてきた。やがて住んでいた部屋を引き払い、時にはカプセルホテルを点々としながら「旅」に出た。定まった居住地を持たない時空を過ごすなかで、情報化できないものを生ける「器」のようなものを必要とした。写真、ムービー、ブログなど、さまざまなメディアによる試行を経て、展示では旅先でサンプリングした見知らぬものとの「距離」を丁寧に設えた。光に集まってくる虫たちのように、岩村朋佳の感受した光に反応した観客が少しずつ増えていく様子を見ることができた。

空間演出デザイン学科教授 鈴木康広