山本珠聡

YAMAMOTO Misato

self-satisfaction

パフォーマンス|布、ビニール、スモーク、ほか
上演時間|10分00秒

作者より

「ありのままの自分を愛しなさい。それは素晴らしいこと。」
自分を偽ること、自分を演じることは悪であるように言われる。

「本当のあなたは、どれ?」と。
知らない一面が見えると、そのようにいう人がいる。
社会では“ありのまま”を求められるが、それは一人一人にとって本当の“ありのまま”ではないのかもしれない。

人からみたときに理解されないことがある。
だが、自ら選択できることが心の平穏にもなりうるのではないだろうか。

鬼灯の花言葉にこういうのがある。
“偽り” “ごまかし” そして“心の平穏”

山本珠聡

担当教員より

社会、他者とのつながりための洗脳(ソーシャルネットワーク)や、社会適応の圧力に対して、今日の社会の基準が「抵抗はしない」というスタンスにある時代、私は2021年の学生たちが何を制作で示すかを見る実験のために彼らの作品過程にアドバイスすることを避けた。
山本珠聡は様々なプロジェクトを通して多次元的でユニークな能力を持っていることを私に示していた。
そして彼女の卒業制作の作品には直感的な反応を覚えた。
主人公たちが、固定化された男性被害者から刺青の入った皮膚を採取する毒舌劇場型ハードコア拷問部屋 。
このスペクタクルを体験しながら、私はピエル・パオロ・パソリーニの「ソドムの市 」Salò o le 120 giornate di Sodomaという映画を思い出していた。昨今、両極端に分断されているモラルと性に関する認識。“Tabooとは?” 人にとって-社会にとって-それを再考する作品となった。「抵抗はしない」社会に彼女なりの答えなのだろう。

空間演出デザイン学科教授 パトリック・ライアン