I Think This, You Think That絵本|紙各H201 × W201mm(17ページ、5点)
10歳の時にアメリカに引っ越した私は、幼かったため言語そのものの習得にはそれほど時間がかからなかった。しかし文化の違いが原因でコミュニケーションはなかなかうまくいかず、モヤモヤする日々が続いた。 当時はそんな日々が苦しかったが、この経験は私に「ことば」の不思議さと常に向き合うきっかけを与えてくれた。 今回はそんなことばをテーマに、触れて発見できるしかけ絵本を制作した。この本が、日々使っていることばについてなにか発見をもたらすことができれば嬉しい。 河野未有
両親の都合で幼い頃に外国で生活をした作者は、そこで生じた言葉による齟齬、誤解などの経験、いわば当時の言葉に対する「不可解」な記憶が本作の動機となった。まずは自らの経験の中にあるモヤモヤとした記憶を辿ることから始めて、それをグラフィック表現に落とし込むことを試みた。それだけでは不十分と感じた彼女は言語学や記号論を通して自分の経験を再度客観化し、それが言葉のもつ本来の不思議さと面白さであったと自覚する。結果として作品の構成は日常的な言葉の単純な面白さ・不思議さから、言語的・文化的に高度な解釈までが論理的に編集された。それぞれにふさわしい仕掛けと図像を駆使し、ユーモアとウィットに富んだ楽しい絵本になっている。 視覚伝達デザイン学科教授 寺山祐策
作者より
10歳の時にアメリカに引っ越した私は、幼かったため言語そのものの習得にはそれほど時間がかからなかった。しかし文化の違いが原因でコミュニケーションはなかなかうまくいかず、モヤモヤする日々が続いた。
当時はそんな日々が苦しかったが、この経験は私に「ことば」の不思議さと常に向き合うきっかけを与えてくれた。
今回はそんなことばをテーマに、触れて発見できるしかけ絵本を制作した。この本が、日々使っていることばについてなにか発見をもたらすことができれば嬉しい。
河野未有
担当教員より
両親の都合で幼い頃に外国で生活をした作者は、そこで生じた言葉による齟齬、誤解などの経験、いわば当時の言葉に対する「不可解」な記憶が本作の動機となった。まずは自らの経験の中にあるモヤモヤとした記憶を辿ることから始めて、それをグラフィック表現に落とし込むことを試みた。それだけでは不十分と感じた彼女は言語学や記号論を通して自分の経験を再度客観化し、それが言葉のもつ本来の不思議さと面白さであったと自覚する。結果として作品の構成は日常的な言葉の単純な面白さ・不思議さから、言語的・文化的に高度な解釈までが論理的に編集された。それぞれにふさわしい仕掛けと図像を駆使し、ユーモアとウィットに富んだ楽しい絵本になっている。
視覚伝達デザイン学科教授 寺山祐策