向井奈生子

MUKAI Naoko

水生陶器標本
Aquatic ceramics specimens

陶土、手びねり、たたら成形、練込
[最小]H20 × W20 × D50mm〜[最大]H150 × W180 × D260mm(54点)

作者より

持つだけで手のあとが残るほどやわらかいのに、焼くと硬くなってかたちを留める

土という素材は、アプローチを変えれば変えるほど、どんどんどんどん色々な表情を見せてくれます。

土が表すものから感じる力強さ、ワクワク感をこの作品を通して伝えたいと思い、植物や生物などの標本になぞらえて、陶器の標本を制作しました。

向井奈生子

担当教員より

博物学の標本のようであるが、どれも現実に存在しない陶器で作られた空想の水生生物である。作者は自然物への愛好と観察眼を持ち、粘土あそびに夢中になる子供のように、時に土の特性を生かしながら魅力的な形を探し、時に冷静な予測を基に技術を駆使して美しい標本を作り上げた。ラテン語のネーミングや図譜にも遊び心を感じる作品である。この作品の発想の源になった作者の宝物をいつまでも大切にして欲しい。

工芸工業デザイン学科教授 西川聡