佐藤ゆめみ

SATO Yumemi

Guide to Anywhere

ガラス、金液、銀液、紙、アクリルパネル、宙吹き、研磨、接着、金彩、 銀彩
ガラス作品|H350 × W200 × D200mm(3点)
パネル|H297 × W219mm(3点)

作者より

この作品は、物語的な世界への憧れを集積し保存しておくための容器であり、オブジェであり、また非現実的世界を必要とする誰かにとっての装置でもあります。
それぞれに関係する物語的文章は、ガラス作品が完成してから書いたものです。木や惑星、雲など漠然としたさまざまなモチーフを直感的にガラスの形にしてから、想起されるストーリーを構成し推敲を重ねながら文章へと表しました。

私と、私のような誰かにとっての、精神の逃亡のために。

佐藤ゆめみ

担当教員より

「この作品は物語的な世界への憧れを集積し保存しておく容器であり、オブジェであり、また非現実的世界を必要とする私と誰かにとっての装置でもある。」と作者は言う。 
装置とは、ある目的のために仕掛けられた機械や道具のことである。
一見してこの「不思議な?」造形物は、人を近くに誘き寄せ、傍に吊ってあるボードに書かれた物語を無理なく読ませることに成功している。この物語は作品を形にした後に浮かんだイメージを言葉に直して綴られている。読むものにとっては作者のイメージを共感することで、より深く作者の世界観を味わうことになる。つまりこの作品は、見る者に現実から乖離しているような浮遊感を与え、精神的な逃亡を促すという狙いを実現させている。
オブジェクトと機能性の両面を持つ造形力と、独特な世界観を持つ物語小説を融合させることで、高度でバランスのいい作品に仕上がった。またそれにより鑑賞者の想像力が膨らみ、より深く作者のイメージする世界観へと導かれることが高く評価された。
技法的には吹きガラスのイタリアンテクニックをベースとしたパーツを、接着技法により組み上げたことはホットワークの枠組みを超えた新しい制作方法を示唆している。

工芸工業デザイン学科教授 大村俊二