CROZZYプロダクトデザイン|ステンレス、ガラス各H340 × W660 × D510mm(2点)、H380 × W760 × D450mm、H440 × W525 × D495mm、H510 × W650 × D615mm
バネが交差し通り抜けるという発見を起点に制作したサイドテーブル。CROZZYはバネの通り抜けによる視覚的なバグと共に、線のみで構成されたフレームにより、天板に置かれた物が宙に浮いて見えたり、物体と影の二次元的な関係によって空間にカオスを生み出す。 この作品が生まれた背景には様々な素材との「手すさび」がある。それにより機能性を超えた、手すさびによって生み出される無邪気さや偶然の発見による高揚感が生まれることを目指した。 ツルタシュリ(鶴田朱里)
人と物との関係性への興味から人間の知覚に焦点をあて、この卒業制作のみならず作者はこのテーマについて長い時間をかけて考察し、調査、研究、視覚化の作業を行ってきた。スケールの小さいマケットを作り重ねる作業の中で思考を深めていったが、一見、終わる事のないように思えたプロセスの末、2つのスプリングが干渉せずに交差しながら通過する事を発見し、そのマジカルとも言える現象をそれまでの研究の一つの表現として集約し、単純な装飾とならないようにデザインに落とし込むことを目指した。多くの試作の末の最終形態としては、細い構造体のみの非常に簡素なもので、工業製品であるスプリングが周囲の空間に美しく溶け込み、ポエティックともいえる空気を発している。また、重なるテーブルをスライドする事で静かな驚きが生まれる。ありふれた素材を使って全く新鮮な表現を非常に高いレベルで実現したことを評価したい。また、シンプルな造形故の重要なディティールの詰めにも多くの時間をかけたが、さらなる完成度向上の追及に期待したい。 工芸工業デザイン学科教授 山中一宏
作者より
バネが交差し通り抜けるという発見を起点に制作したサイドテーブル。CROZZYはバネの通り抜けによる視覚的なバグと共に、線のみで構成されたフレームにより、天板に置かれた物が宙に浮いて見えたり、物体と影の二次元的な関係によって空間にカオスを生み出す。
この作品が生まれた背景には様々な素材との「手すさび」がある。それにより機能性を超えた、手すさびによって生み出される無邪気さや偶然の発見による高揚感が生まれることを目指した。
ツルタシュリ(鶴田朱里)
担当教員より
人と物との関係性への興味から人間の知覚に焦点をあて、この卒業制作のみならず作者はこのテーマについて長い時間をかけて考察し、調査、研究、視覚化の作業を行ってきた。スケールの小さいマケットを作り重ねる作業の中で思考を深めていったが、一見、終わる事のないように思えたプロセスの末、2つのスプリングが干渉せずに交差しながら通過する事を発見し、そのマジカルとも言える現象をそれまでの研究の一つの表現として集約し、単純な装飾とならないようにデザインに落とし込むことを目指した。多くの試作の末の最終形態としては、細い構造体のみの非常に簡素なもので、工業製品であるスプリングが周囲の空間に美しく溶け込み、ポエティックともいえる空気を発している。また、重なるテーブルをスライドする事で静かな驚きが生まれる。ありふれた素材を使って全く新鮮な表現を非常に高いレベルで実現したことを評価したい。また、シンプルな造形故の重要なディティールの詰めにも多くの時間をかけたが、さらなる完成度向上の追及に期待したい。
工芸工業デザイン学科教授 山中一宏