藤井結理

FUJII Yuri

PASSAGE

プレゼンテーション|MDF、アルミ板、アクリル板、アクリル絵具、合板、単菅
全体模型|約H200 × W2450 × D500mm
部分模型|H1100 × W800 × D500mm

作者より

山と水面の境界面に浮かぶ一本の通路「PASSAGE」。
自然の静寂さの中で、遥か遠い昔から佇んでいるかのようなこの通路は、私たち人間の生まれ死にゆくまでの道筋を暗示するものとしてそこに有る。人は山に入り組む入り口から、細く狭い道を通り抜け、自身の足取りと感覚を頼りに進んだ先で等しく同じ水面下へ辿り着き、道が水面下へ消えゆく様を見る。それはまるで、細い山道を通り産声を上げた先で、自身の運命の元に各々の道を歩み、やがて生が尽きるとき、魂が皆等しく大海原へと帰っていく、人間の生から死への一本道だ。入り口から水面までのこの通路を、人々は各々の光、風、暗闇と共に進んでいく。同じ道であっても同じ感じ方は存在しない。あなたはこの夢幻のような一本道をどう感じ、どう進んでいくだろうか。

藤井結理

担当教員より

作者の目指す、宗教によらず自然と向き合いながら自らと向き合う空間は、何かを象徴するモニュメンタルな構築物ではなく、経験される場としてデザインされた。
それは壁、天井、床といった空間を構成する根源的なエレメントによって切り取られる様々な風景、光と影の連続するシーケンスとして立ち現れる。強い物質性を持ちながらも、そこに現れる現象が人の内面に働きかけるインテリアデザインの可能性を示す作品となった。

工芸工業デザイン学科教授 伊藤真一