小山実織

KOYAMA Miori

群れ swarm

ドライアイス、石粉粘土、紙、液晶ディスプレイ
本|H220 × W220mm(100ページ)
写真|各H329 × W483mm(8点)
映像|約16分

作者より

私たちの身体は、私たちを取り巻く環境の分子たちが、分解と合成という動きをほぼ同時に、絶えず行なっていることで保たれている。常に交換、更新をしながら、身体を保ち続けようとしている。この不可逆な絶え間ない動きは「流れ」である。この作品では流れの中で、流れの「淀み」として、一定の状態を保ち続けようとする生命の現象を表現した。この現象そのものが生命であり、「生きている」ということであり、生命というものの本質である。

ドライアイスの煙を窪みのあるプレートの上に滑らせると、窪みに煙が溜まりながら流れていく。こうしてあらわれた流れの淀みたちは、それぞれが柔軟に動き続ける個でありながら、全体を見ると何かの群れのようである。動き続ける個に、群れに、固有の形や見方は存在しない。フラットで生々しい、ごく自然な現象そのままとして見えてくる。

生命はある、のではなく、ただただそこに存在している。

小山実織

担当教員より

「かたちとは何か」をテーマに、作者は実際の「流線形」の生成を観察するため、ドライアイスを流す装置を作り膨大な実験と記録を行なった。その観察の中で彼女は結果的に立ち現れるかたちの背後に不可逆で絶え間のない流動をみた。さらにそれをもたらす環境(重力、窪み、時間など)を微細に変化させること、その相互作用によって多様に生み出される状態、動的平衡としての生の形をそこに見出し提示した。彼女は「かたち=生現象」を視覚化する地点に達している。

視覚伝達デザイン学科教授 寺山祐策