B a n a n aアニメーション5分06秒
東京上空に突如、巨大な物体“バナナ”が出現してから数年後、人々はいつしかそんな生活にも慣れ、どこか受け入れてしまっている。それまでの日常がたちまち崩れ落ちていくさまを目の当たりにした後でも、私たちは昨日と同じ今日、今日と同じ明日が来ることをどこか盲目的に信じている。しかし、諦め、疲れ、分断、後悔、無関心、それらは時間と共にゆるやかに堆積していく。そして末端から始まり至るところに浸透した腐敗は、崩壊寸前なのかもしれない。 この作品は、ここ数年の出来事を通して感じてきたことを、自分なりの方法で表現できないか、模索しながら制作した短編作品である。 時任泰地
本作は東京上空に巨大なバナナが出現して数年という設定で描かれた物語である。この不条理な巨大物体はパンデミックに翻弄され、戦争に怯える現代の我々の社会を寓意したものだ。作者は私たちが昨日と同じ日々が続くことを妄信できる時代は終わったと感じている。分断、無関心、諦めなどによる社会の崩壊をバナナは象徴している。自身のイメージ実現のため作者はCGの技法を独学し、その優れたグラフィックセンスをこのブラックな物語にうまく反映させている。 視覚伝達デザイン学科教授 寺山祐策
作者より
東京上空に突如、巨大な物体“バナナ”が出現してから数年後、人々はいつしかそんな生活にも慣れ、どこか受け入れてしまっている。それまでの日常がたちまち崩れ落ちていくさまを目の当たりにした後でも、私たちは昨日と同じ今日、今日と同じ明日が来ることをどこか盲目的に信じている。しかし、諦め、疲れ、分断、後悔、無関心、それらは時間と共にゆるやかに堆積していく。そして末端から始まり至るところに浸透した腐敗は、崩壊寸前なのかもしれない。
この作品は、ここ数年の出来事を通して感じてきたことを、自分なりの方法で表現できないか、模索しながら制作した短編作品である。
時任泰地
担当教員より
本作は東京上空に巨大なバナナが出現して数年という設定で描かれた物語である。この不条理な巨大物体はパンデミックに翻弄され、戦争に怯える現代の我々の社会を寓意したものだ。作者は私たちが昨日と同じ日々が続くことを妄信できる時代は終わったと感じている。分断、無関心、諦めなどによる社会の崩壊をバナナは象徴している。自身のイメージ実現のため作者はCGの技法を独学し、その優れたグラフィックセンスをこのブラックな物語にうまく反映させている。
視覚伝達デザイン学科教授 寺山祐策