渡邉優斗

WATANABE Yuto

東京新歌枕
Tokyo Shared Poems

液晶ディスプレイ、紙
映像|各3分30秒(10点)
本|各H146 × W60mm(10点)
ポスター|各H900 × W260mm(10点)

作者より

歌枕とは和歌の表現技巧で、『特定のイメージと結び付けられた場所・地名』を指します。
現代では歌枕が用いられることはもちろん、日常的に和歌が詠まれることもありません。
しかし、SNS の蓋を開けてみると様々な場所にまつわる短文が、多くの共感や感動を呼び
続けていることがわかりました。
今回は、東京という巨大な都市に溢れる言葉をかき集め、十の歌枕と四十首の歌を制作しました。言葉とイメージから浮び上がる都市の像をご鑑賞ください。

渡邉優斗

担当教員より

作者は歌人である。今日巷では短歌が静かなブームにもなっているようだが、それは一時代前の書籍媒体を通してではなく携帯電話のデバイス上に現れたものだ。そのような時代に作者は言葉と場所が深く結びついた「歌枕」という形式に着目し、東京を主題とする新たな歌枕を試みた。訪れた場所でツイッターに現れる膨大な発話を採集、ピックアップしそれらを映像と共に表示しながら、彼によって令和東京のデジタルネットワークと現実が折り重なった新たな歌が出現した。

視覚伝達デザイン学科教授 寺山祐策