佐藤明日香

SATO Asuka

Flux House

プレゼンテーション|スチレンボード、塩ビ板、紙、カスミソウ、木材、ビス、ほか
ポスター|H914 × W645mm(4枚)
プレゼンボード|H400 × W1000mm
模型|H400 × W520 × D520mm、H150 × W300 × D300mm

作者より

かぞくから いえを考える
いえから かぞくを考える

家族のかたち・暮らし方は、時代の流れとともに変化している。
しかし、その変化を感じられない程に私達にとって家族というものは感覚として当たり前であり、日常のひとつだ。

世の中には同様に、“普通”とされていることやものが多く転がっており、無意識のうちにレールの上を歩いてるように、
よく考えずに自分の心とは反する方向に物事を選択してしまうなんてことは、多くのひとが経験しているかもしれない。
私はそれが怖い。

私たちは、どんな選択肢でも考えることができる。

それを伝えるために、”家族と住空間”というありふれた日常を示すオブジェクトを用いて、
今の世界では普通とはされない、多夫多妻制の家族をコミュニケーションから住空間に至るまで空想してみた。

『Flux』はフランス語で流れという意味。時間と家族の変化の流れに、
対応できる住居を目指した。

佐藤明日香

担当教員より

ロバート・A・ハインラインのSF小説“月は無慈悲な夜の女王”との出会いが、この“Flux House”を考えるきっかけだったと佐藤は語り始めた。
“多夫多妻による合計12人家族”と、聞き慣れない構成に呼応する住空間という摩訶不思議なデザインワーク。
人類は時としてドラスティックな発想を必要とし、1%の可能性を信じ実験を繰り返す事で進化を遂げてきた。
決して冗談などでなく、このシチュエーションに向き合い最適化を探る誠実な葛藤は、未来の在るべき姿への可能性を示している。

空間演出デザイン学科教授 片山正通