YANG Sehwan

거리コリ
Distance

インスタレーション|木材、ブラウン管テレビ、アクリル、ミラーシート、ハーフミラーシート
H4000 × W6000 × D4000mm
映像|2分50秒

作者より

この作品は、大切な人々に出会い、映画のような留学生活を暮らした4年間の映画のエンドロールである。4年間、自分と繋がった1620人の本名がこのエンドロールに載っている。元の映象は遅いスピードで上昇するエンドロールであるが、速いスピードで落ちる現象は、HDMIポートをRCAに変換する際に、NTSDとPALのアナログ受信のバグを利用した、テレビ電気回路の現象でる。この終わりのない穴に落ちるエンドロールは、4年間繋がった大切な人たちとの思い出をこの10号館の深い奥まで残し、また新しい映画を始めるための終わりである、記念碑的な私の「卒業」作品だ。

YANG Sehwan

担当教員より

ブラウン管という過去の遺物に彼は魅力を感じ、これまでにいくつかの作品を作り上げてきた。今回の画面には異国である地でこれまでに出会った人々の名前が4年の学びを終えるこの地に深く流れていく。水の流れをずっと見ていられるようにこの作品の前でも見つめ続けてしまうが、観ているものは人によって違うものかもしれない。その時に必要な考えや感情との出会いがそこにはある。
ブラウン管テレビのアナログな配線や内部を作品に生かすことで機械に人間味や自然の力を感じさせ、見入る人に何かを考えさせる、もしくは考えさせずに感じさせるものを作り出している。滝の流れの前で人がそうなるように。

空間演出デザイン学科教授 パトリック・ケビン・ライアン