雨田ライン

AMEDA Rain

色字共感覚からみる知覚情報の複雑さ
Consider human’s perceptual information through grapheme-color synesthesia

プレゼンテーション|紙、スチレンボード、糸、PC
本|H297 × W210mm(227ページ)
平面|H800 × W720 × D2mm
映像|8分10秒

作者より

色字共感覚という、文字に色を感じる共感覚についての作品です。私は、物心ついた時から文字に色を感じており、長い間、色の要因について知りたいと思っていたことがきっかけで制作しました。私は色の要因を探る中で、色字共感覚を通して、人間の知覚情報の複雑さに面白みを感じ、自身の共感覚を紐解いていくことで、それらを伝えられるメディアを目指し、3つの作品を制作しました。

雨田ライン

担当教員より

色字共感覚は文字を見たときに色彩が脳裏に浮かぶ固有の感覚であり、一般化することが難しい感覚である。作者はひらがな、アルファベット、数字、漢字等の字種ごとに、さらには直線、曲線、線の交差等のエレメントごと(数え上げれば千を超える)に自身がどのような色を発生させているのかを詳細に記述し、最終的には文章を読むときの速度によって色彩が変化することを視覚化した。そこでは隣り合う文字によって発生する色が混色、打ち消し、余韻などの現象を発生させており、膨大な情報処理を一瞬で行う複雑な知覚のメカニズムが克明に記述されている。人間の知覚能力の奥深さを実感させられる、大変興味深い作品となった。

視覚伝達デザイン学科教授 中野豪雄