坂本倫久

SAKAMOTO Michihisa

perspective in motion and space

インスタレーション|ディスプレイ
サイズ可変

作者より

オンスクリーンのデバイスに取り囲まれる現代、私たちは何に対し実体を見出しているのだろうか。私たちは知覚された要素同士を相対的に眼で捉え、そこに経験上推測される辻褄の合った関係性を脳内で構築することによって世界を捉えている。「動き」の存在に着目し、平面要素を空間へと展開させることによる新たな知覚体験を模索した。

坂本倫久

担当教員より

グラフィック領域における動的な表現に着目し、坂本くんはそこへ挑戦した。モニター1台を見ているだけでは知覚できないが、モニター同士の関係性から在るはずのない壁や線が実空間に浮かび上がってくる。シンプルではあるが、それ故に強い表現である。16台のモニターを連動されるという、技術的にも至難の業を彼は努力の末にこなした。地道な作業ではあるが、表現を支える不可欠な要素である。その技術に対する探究も新たな表現を生み出す可能性があることを、改めて彼は示してくれた。この表現を起点にまだ見ぬ未知なる可能性へと今後も繋げて欲しい。

視覚伝達デザイン学科准教授 後藤映則