石橋明奈

ISHIBASHI Haruna

イロいろ
iroiro

布、紙、塩化ビニールシート、パッチワーク
パッチワークキルト|H1167 × W1167mm(3点)
本|H180 × W180mm(3点)
ポスター|H670 × W670mm(3点)

作者より

生き物は皆、色々な面を持ち生きている。「当たり前」のことだ。
けれど人は、つい目につく情報から、個性を断定してしまうことがある。時にはそれが、負の感情や、差別・偏見に繋がることも。
でも個性は決して一色ではない。
私たちは色々な側面をつぎはぎしながら、一つの個性をつくっている。
実際、全てを「受け入れる」ことは難しいが、“個の内の多様性”へ少しでも意識を置き、「理解」へ近づく姿勢が持てたなら、世界が今よりも鮮やかに色づいて見えてくるかもしれない。

石橋明奈

担当教員より

本作は幼い男の子と女の子がそれぞれ犬と猫に出会い、時を過ごす。その経験を通して相手を理解すること、変化する相手と自分との関係を優しく描いている。そこでは個性の本質とは何か、そして他者と関係を持つとはどのような事かが三つの物語で語られている。パッチワークキルトによって相手への認識の変化を表現し、美しい色彩が徐々に現れることを理解の深まりのメタファーとしている。心に関する深い内容に対して全編に登場するキャラクターのタッチは自在で、幼い彼らの心情の変化が事に表出されている。

視覚伝達デザイン学科教授 寺山祐策