パタン・ランゲージが時を超えて生み出す価値の探求Exploring the Timeless Value Generated by Pattern Languages
論文|68ページ
本研究は、デザイン方法論の1つであるパタン・ランゲージについて扱ったものである。既存のパタン・ランゲージ研究にはパタン・ランゲージを作成する時点を扱ったものが多いことから、本研究では逆に、運用が始まって時が経っているパタン・ランゲージの価値に着目した。具体的には、まちづくりのパタン・ランゲージの1つで、制定・施行から30周年となる神奈川県真鶴町の『美の基準』に焦点を当てている。 「まち歩き」と名付けた参与観察と、「メディア巡り」と名付けた文献調査によって集めた『美の基準』30周年の時の「語り」のデータを、KJ法を核とした方法で質的に分析した。 その結果、KJ法の図解化に相当する構造が示され、時の流れの中で『美の基準』の価値がどのように変遷しているかを視覚化することができた。特に、この30周年付近の時の様子が詳細に見えている。 加えて、研究結果を次の30年の『美の基準』の運用に繋げることを試みるような考察をおこなった。 川西俊之
本研究は神奈川県真鶴町で策定された都市計画の基準『美の基準』が30年間どのように変化し、住民や町のアイデンティティにどのような影響を与えたのかを、30回を超えるフィールドワークのなかからの語りの分析から探った。都市計画とコミュニティデザインにおいてパタン・ランゲージが果たす役割を検証し、時間を超えた価値の継承のあり方を示した点で重要な示唆を持つ内容となっている。パタン・ランゲージの活用に新たな論点を提示し、これからの社会においての可能性を提示した研究となった。 クリエイティブイノベーション学科教授 長谷川敦士
作者より
本研究は、デザイン方法論の1つであるパタン・ランゲージについて扱ったものである。既存のパタン・ランゲージ研究にはパタン・ランゲージを作成する時点を扱ったものが多いことから、本研究では逆に、運用が始まって時が経っているパタン・ランゲージの価値に着目した。具体的には、まちづくりのパタン・ランゲージの1つで、制定・施行から30周年となる神奈川県真鶴町の『美の基準』に焦点を当てている。
「まち歩き」と名付けた参与観察と、「メディア巡り」と名付けた文献調査によって集めた『美の基準』30周年の時の「語り」のデータを、KJ法を核とした方法で質的に分析した。
その結果、KJ法の図解化に相当する構造が示され、時の流れの中で『美の基準』の価値がどのように変遷しているかを視覚化することができた。特に、この30周年付近の時の様子が詳細に見えている。
加えて、研究結果を次の30年の『美の基準』の運用に繋げることを試みるような考察をおこなった。
川西俊之
担当教員より
本研究は神奈川県真鶴町で策定された都市計画の基準『美の基準』が30年間どのように変化し、住民や町のアイデンティティにどのような影響を与えたのかを、30回を超えるフィールドワークのなかからの語りの分析から探った。都市計画とコミュニティデザインにおいてパタン・ランゲージが果たす役割を検証し、時間を超えた価値の継承のあり方を示した点で重要な示唆を持つ内容となっている。パタン・ランゲージの活用に新たな論点を提示し、これからの社会においての可能性を提示した研究となった。
クリエイティブイノベーション学科教授 長谷川敦士