バク テイ

MO Ting

塵も積もれば山となる、悲しくも恐くもない
Even dust, when piled up, becomes a mountain; it’s neither sad nor scary

マット紙、パネル
H1800 × W3150mm、H728 × W1030mm、H297 × W420mm、H1030 × W1456mm、H210 × W297mm

作者より

私の作品は自然の風景を撮影していますが、表現したい核心的な思想は人生についてです。すべては最終的に消え去るものですが、私たち一人一人が経験する些細な出来事も、私たちの一生を形作る重要な部分です。それらの小さな積み重ねが、人類文明の継続と発展を促しているのです。

バク テイ

担当教員より

被写体となっているのは、日本や中国で撮影された山、火山や険しい山肌、氷河や大河である。決して説明的な写真ではなく、ある意味断片的なイメージ群でありながらも、あまりの雄大さ、スケールの大きさに圧倒されてしまう。作品のタイトルは「塵も積もれば⼭となる、悲しくも怖くもない」。まさしく作者はこうした大自然の前に立ち、人間の生がいかに儚く、思い悩んでいることがいかに些細なものなのかと思い知らされたのだろう。いや、彼女の作品の前に立ち、作品に囲まれ、我々も同様の気分にさせられているのだ。それだけ1枚1枚の写真が説得力をもち、見る者の想像を掻き立てる空間構成ができているのである。

映像学科教授 菅沼比呂志