アンドレス マドルエニョ オルティス

作者より

東京での3年間の生活を経て、自分自身と仲間たちの経験を脚色することにした。私たちの会話や悩みは主に作品、お金、鬱病、そして作家としてのそれぞれの未来についてだった。この体験に影響を受け、ノイズに満ちた街で自分の居場所を探している3人の架空の若い作家たちを中心に映画を制作した。この映画は台本や絵コンテを使わず、即興のガイドをもとに撮影された。

アンドレス マドルエニョ オルティス

担当教員より

「ノイズの住民」という上映作品は「虚無感」をテーマにした50分程度の長編で、即興と事前指示を融合したハイブリッド演出を採用している。撮影は手持ちカメラとピンマイクを活用し、役者の反応を重視し、制作過程も詳細に記録された作品である。マドルエニョ氏は「即興」という方法を用い、映画制作において様々なかたちで実験を行うと同時に理論的な研究も行ってきた。「ノイズの住民」という修了制作では主に、即興映画に於ける、監督、役者や制作スタッフの役割の再定義、そして撮影・編集・上映の関係性や相互作用の再定義を試みた優れた作品である。

映像学科教授　クリストフ シャルル