汪婧

作者より

大抵の人は、人生で二度目の「乳離れ」を経験することになる。私たちは普段、人とのつながりは決して断たれることはないと当たり前のように思っている。しかし、そのつながりが消えたとき、人はどのように自分自身と向き合い、孤独の中で自らの存在を見出すのだろうか？
それは単なる孤独の旅ではなく、帰属感を模索する探求なのかもしれない。

汪婧

担当教員より

手を題材に人間の絆を描く。力強いメタモルフォーゼのダイナミズムが、観る者を釘付けにする。しかし作者が真に叫ぶのは、より深刻な内的宇宙に巣くう絶望的なまでの痛みなのだ。世界を包み込む「嘆き」の嗚咽が鼓膜に突き刺さる。ロトスコープの手法を駆使した、手描きドローイング・アニメーションである。卓越した素描力もさることながら、最も称賛されるべきは、作画と実写の完璧な融合である。ここに新時代のアニメーション作家が誕生した！

映像学科教授　黒坂圭太