加藤拓

KATO Taku

文字の三次元 —字彫りの研究と実践—
The Three-Dimensionality of Letters: Research and Practice of Letter Carving

彩玉ボード、常温黒染剤、中国産青石、石膏ボード、鋼製壁下地材、構造用合板
模刻碑|H2000 × W1000 × D20mm
石|H400 × W200 × D20mm(3点)
見本碑|H1000 × W2000 × D20mm
パネル|H910 × W1820mm(3点)

作者より

文字はかつて彫られるものであった。 彫られることが前提ならば、文字の造形には三次元的要素が含まれているはずだ。
本作は刻字の研究を通し、その可能性を探究したものである。幼少期からの書の経験と刻字の実践を元に、文字に内包されている刻字の魅力を再考し表現へと繋げる試みである。

加藤拓

担当教員より

単に文字を彫って見せる制作物は、すでに過去にあった。だが加藤の卒業制作には、文字が彫られることの意義が厳然とある。加藤はテーマを「文字の三次元」と名づけたが、その表象的名称に惑わされてはいけない。制作物でまず、圧倒されるのは、国内外の墓跡・碑文を訪ね歩いた末に辿り着いた加藤自身が臨書し、原寸大で彫り刻んだ欧陽詢の「九成宮醴泉銘」である。さらに彫りの角度、平・丸・薬研といった彫刻技法を実際に提示し、その意味を問いかける。彫りによる「影」。彫りの深さによる影の濃淡のファミリー!それこそかつて誰もが言及してこなかった次世代型三次元書体ファミリーの提案だ。痕跡の意味を「論」でなく、具体として提示したこと。そこに加藤の卒業制作の意義がある。

視覚伝達デザイン学科教授 白井敬尚