酢橘(周田千尋)

sudachi(SUDA Chihiro)

縄文人の手しごとを追う
Tracing the Handiwork of Jomon People

インスタレーション|粘土、砂、木、枝、竹、蛤、石、黒曜石、鹿角、紙、カラムシ、ディスプレイ、タブレット
火焔型土器|H345 × W336 × D336mm(3点)、H300 × W280 × D280mm、H280 × W280 × D280mm
土器|H75 × W60 × D60mm〜H310 × W310 × D310mm(7点)
映像|4分1秒、5分1秒、6分30秒
本|H210 × W297mm

作者より

夏に加曽利貝塚の土器づくり同好会に入会して、粘土を土から作り、薪を集め、火を起こして土器を焼き、自然と対話する日々を送っているうちに、現代人が「買う」ことから始めることを縄文人は「集める」ことから始めていると感じるようになった。
彼らの素晴らしい手しごとを示すために、火焔型土器の複製制作を通して自然から土器にたどり着くまでのダイヤグラムを制作した。教科書では1ページで終わってしまう縄文時代がこんなにも素晴らしい文化を持っている時代だったことを知ってもらいたい。

酢橘(周田千尋)

担当教員より

当初は火焔型土器への純粋な興味で始まった研究だが、作者は全国各地の縄文遺跡へと積極的に足を運び、縄文コミュニティの先達たちに見守られながら、ひたすらに土器を焼いていった。たった一つの土器を正確に再現しようとする過程で、土器を形作るための道具があり、その原料となる天然資材があり、またそれを加工するための道具があったりと、縄文人を取り囲む環境がどんどん見えてくる。自然を征服するのではなく、自然の力を生かしながら暮らしていく縄文人の生活知は、未来のデザインに対する示唆を存分に含んでいる。

視覚伝達デザイン学科教授 大田暁雄